企業イメージ:株式会社メック

ニーズは変わる、
進化を止めるな。

株式会社メック

自動車部品、光学部品、産業部品の3分野にまたがるダイカスト製造を手がける株式会社メック。金型の設計から製作、ダイカスト成形、加工、仕上げ、検査までの一貫生産により、日々高度化するニーズに応え続けてきた。39年の歩みの中で、アルミダイカスト総合メーカーへの発展といった「先手の経営」で、今や従業員は105名。2021年夏には新たな製造ラインも稼働を予定し、EV自動車時代の到来にも備えている。

設計から加工までの一貫生産で大手企業からの直接受注も多数

創業は1982年、超小物超精密部品の生産販売から始まった株式会社メック。その3年後の85年にはアルミダイカスト部品の受注生産を開始し、さらに88年には本社社屋を全面増改築するなど、進化を続け、事業の裾野を広げ続けてきた。

株式会社メック本社工場のようす。工場は町内に計3箇所あり、いずれも24時間3直体制で大型受注を可能にしている

「現在の当社のアイデンティティといえるアルミダイカスト事業は、1985年に始まりました。しかし、最初はあくまでも製造のみ。これに金型や治工具設備を増強することで金型の設計製作から完成品までの工程を内製化、さらに1997年に工場を増設してMC加工設備を整え一貫生産体制を確立して受注量の拡大が可能になり……と、段階的に製造と生産の可能性を広げることで売り上げを伸ばしてきました」

そう話すのは、代表取締役社長・石田一夫。いわく、自動車産業のさかんな愛知県周辺ではダイカストの総合メーカーはめずらしくないが、ここ長野県で一貫生産の体制を構築したことが同社の大きな強みとなり、新規受注獲得にもつながっていったという。大企業からの直接受注が多いのも、同社の大きな特徴だ。

株式会社メック 代表取締役 石田一夫。大手保険会社役員出身という異色の経歴をもつ。
2017年、創業メンバー以外から初の代表取締役就任となった

「自動車部品は株式会社豊田自動織機様をはじめ、住友電装様、大豊工業様、エヌティーテクノ様、明電舎様等とお取引きをさせていただいています。ハイブリッド車の部品のほか、今後の主力製品になりうる電気自動車の部品も多くあります。

まず、お客様の設計図面をもとに、部品に求める機能をお聞きし、その機能を満たしながら最適な工程設計を提案して、より作りやすく、コストの無駄のない設計の提案をしてきたことが、現在につながっているのではないか、と考えています。」

金型、鋳造、加工。各分野の連携で高精度の提案を

製品開発の中枢に踏み込む関係性の構築。相手はいずれも日本を代表する企業ばかり。一朝一夕にはできはないと想像がつくが、一体どのようになし得たものなのだろう。

「それはもう、根気強い日参の末の成果であったようです。創業家の専務取締役 名取正象が愛知県まで週に2回、片道2時間半の道のりを長年通い詰め、地道に関係を築いてきました。

今では設計開発部門から相談をいただくこともあり、技術と品質保証の面で大きな信頼をいただけるようになりました。」(石田)

美しく並べられた原材料(インゴット)

この営業努力と同時進行で進められていたのが、量産に耐えうる製造体制の充実と、設計や加工などを手がけられる技術部門の人材育成だったと石田。

「一貫生産の体制を持つことで、加工に精通した人間も、金型に精通した人間も一つの社内にいる、という状態になりました。私たちはこれを分断させず、むしろ連携させることで、コストカットや品質の向上を可能にしてきました」

それはたとえば、加工まで見越した金型設計により、コストが削りにくい加工工程の削減を可能にすること。逆に、金型設計の段階から成形や加工の担当者の目を入れることで、複雑形状や軽量化、肉薄化の場面でも精度の高い提案を行うことができる。

「ものづくりを実現する方法の答えは、必ずしも一つではありません。品質とコストの両立を念頭に、私たちはできるだけたくさんの案を持ち寄って、お客様の製品コンセプトや企業姿勢に見合うものを提案し採用していただくことが大切なのだと思います」

CNC三次元測定機

実績を生かして、新規開拓も積極的に実施

「これまで開発が難しかったものはたくさんありますが、それを乗り越えて実現したとき、お客様から感謝の言葉をかけていただけることが、私たちを奮い立たせる原動力になっています」

創業家の一人であり、取締役部長を務める名取弘道は、これまでの道のりをそう振り返る。

取締役部長を務める名取弘道

「たとえば、オリンパス様のCMの題材にもなった工業用内視鏡カメラ。この部品である『ヒートシンク』も、弊社が製造を担っています。実は最初は他社さんに声をかけたものの、なかなかうまく形にならないということで当社にお話しがきたものでした。必要となる金型の構造がとにかく複雑だったので、私たちも苦労しましたが、完成したときは本当に喜んでいただいて、冥利に尽きる経験だったことを覚えています。後日、この会議室にいっぱいになるぐらい、さまざまな部門の担当者が14、5名いらして、メックの力を評価いただけたと、大変な熱量を感じた案件でした。」

製品事例の一部。
展示会にも定期的に出展し、自動車のみならずカメラや測量機部品、コーヒーマシン等の産業部品など、分野もサイズも幅広く手がけている

先を見据え、歩み続ける。2021年には新ラインも稼働予定

日進月歩の技術革新が進み、移ろう各種業界のニーズに応え続けることで自社の筋力を育んできたメック。その根底にあるのは、「設計から鋳造、加工まで、ものづくりのすべてを手放さず、日々成長させていく」という強い思いだったのではないかと石田は話す。

「今から15年ほど前に受注しはじめていた自動車部品や光学部品は、鋳造して出荷すれば大きな売り上げが見込めるものでした。しかし、そのような仕事は長く続かず、徐々に生産が海外に移転しました。当社では将来を見据えて『どう生き残るか』といち早く考え、鋳造+加工の技術を生かした一貫生産体制を強化しようと、加工工場を新たに建設しました。

するとその直後、あと数年は続くだろうと思っていた鋳造のみの自動車部品の仕事が大幅減となり、1億円、2億円規模の仕事が急になくなるという事態に。ところが一方で、私たちが先んじて鋳造+加工技術で受注していた、ハイブリット車、電気自動車の製品が徐々に花開き、今では大きな受注をいただくようになっています。

一つの技術に満足せず、一貫生産にまつわる一つひとつを段階的に強化してきたことが、この会社を支えているのです」

3DCADを用いた設計作業の様子。設計室は生産工場内に備えてある

今もこの「成長」は続いている。2021年は新ダイカストマシン350トンを増設し、プレスの自動化も実現している。また夏には、加工ラインの増設と自動化・省人化を進め、自動車の大量生産に応える生産能力を強化する予定だ。次なる一歩はどちらに向いているのだろう。

「まだ形にはなりませんが、すでに考えはじめています。できればメイドインジャパン、メイドイン富士見町と言える製品を開発して、完成品の販売までできたら、という思いが社内に芽生え始めているんです。周辺の企業の皆さまや、異業種の方々のお知恵も借りながら、世の中の役に立てる製品を世に送り出すことができたらきっと、当社もさらに進化していけるはずと構想しています」

取材・執筆:玉木美企子
構成・編集:澤井理恵(ヤツメディア)
写真:高橋博正(山の上スタジオ)
動画:赤錆健二(Omusubi factory)

株式会社メック

【設立】1982年

【住所】〒399-0211 長野県諏訪郡富士見町富士見248-34  

【連絡先】TEL:0266-62-4855  FAX:0266-62-5571 
【代表者】 代表取締役 石田一夫  
【従業員数】105名
【事業内容】自動車部品、情報機器、産業用機器のアルミニウムダイカスト製品製造、金型設計・製作
【主要取引先】アルバック機工株式会社、 株式会社ATA、 エヌティーテクノ株式会社、 京セラ株式会社、 佐藤金属株式会社、 住友電装株式会社、 大豊工業株式会社、 株式会社タムロン、 中央発條株式会社、 株式会社豊田自動織機(敬称略・五十音順) 
【主力製品】自動車部品、情報機器、産業用機器のアルミダイカスト製品の製造、金型および治工 具の設計・製作
【設備情報】ダイカストマシン(50t)1基・(90t)2基・(125t)1 基・(135t)6 基・(350t)3基 、DC 試削り用旋盤2基、 立型フライス盤 1基、CNC 旋盤 3基他/マシニングセンター16 基、タッピングマシン 4 基、タッピングセンター4 基、CNC タッピングセンター5 基他/研掃機関連 アニール炉 2基、回転バレル 1基、研掃機 5基、振動バレル 3 基、ショットブラスター2基 
〔測定機〕三次元測定機4基、CNC三次元測定機1基、真円度測定機1基、面粗度計1基、画像測定機1基
【webサイト】http://www.kkmec.co.jp/

(記載の内容は全て取材時点の情報です)

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